第15章 花火
「アヤ、悪いがこの熱を鎮めてもらうぞ」
「えっ?」
その場で優しく押し倒され、着物の裾を捲り上げられた。
「えっ、信長様っ!?」
慌てる私に構わず、信長様の手が捲り上げた着物の中に入り、割れ目に指をあてる。
クチュ
私の体の疼きを知らせるように、卑猥な音が聞こえてきた。
「やっ」
恥ずかしくて一気に体が熱くなる。
「準備がいいなアヤ」
指を離し、自身のモノを私の濡れそぼつ箇所にあてながら信長様が囁く。
「もう、挿れるぞ、力を抜け」
息をする間も与えられず、いきり勃つモノが入ってきた。
「はっ..んっ」
久しぶりに信長様を受け入れ、身体が震える。
「そんなに悦ぶな。時間がない、動くぞ」
「あっ、や、信長様」
僅かな時間も、惜しいほどに私たちは互いを求め合う。
「はっ、アヤ」
いつも冷静な信長様とは違う、乱れた息遣いが私の耳を掠める。
愛おしさで身体中が締め付けられそう。
「っ、アヤ締めすぎだ。もう、出すぞ」
動きを早めて信長様が私をきつく抱きしめる。
押し寄せる幸せな快楽の波に、私たちは一緒に飲み込まれた。
信長様が軍議に戻っていき、私は一人、余韻に浸りながらゆっくりと着物や髪の乱れを直していた。
ふと、縁に刺さった飴細工が目に入り、思い出す。
「ふふっ、こんなとこに置き去りにしてごめんね」
飴細工を手に取り、花火の事を思い出した。
偶然二人で見ることができた一筋の赤い光。
「言い伝え通り、信長様と永遠に幸せでいられますように」
花火が消えていった夜空に向かって願いを込めてお祈りをした。
同じ頃、信長様は、秀吉さんにガミガミ嫌味を言われているとも知らず、私は能天気に飴細工を舐めながら幸せに浸っていた。