第71章 おやおや シグマくんの話
「それでは、掃除してきますね」
また去る。
久しぶりに会えただけで、こんなに気持ちが動かされる。
その深い海に私は···
ぐいっ
「あの···!」
「どうしましたか?シグマさん」
「あの····その···」
手を握ったはいいが···何で私は迷う
ただひと言言えばいいのに、
「シグマさん」
はっ
「はい···」
「少し仮眠しませんか?」
あたたかい
とくん···
「はい····」
ーーーーー······
ぽん
「さっ、シグマさんどうぞ!」
私はシグマさんに膝枕をする
というか、シグマさんに頼まれた。
ごろん···
(柔らかい···優しい···)
どこかで私は覚えてる
どこだっけ···