第62章 というな 中也さん
汗を拭かれる。
強くなく弱くなく、
子供を包むように
「服はこれを着てくださいね」
拭かれた体に新しい服が包む。
「お前は、知らない奴にもこんなに優しいんだな。」
「倒れてる方をほっとけませんからね。」
「さっきは悪かったな、触るなとか言って···」
にこっ
「いいんですよ!着替えは済みましたし、何か食べますか?」
「頼む」
「はい!」
パタパタ
パタン····
「これが"やさしさ"なのか···」
俺は優しさを知らない
殺ししか知らない。
だから何も知らない俺にゆっくり注がれるそれが気持ち悪かった。
でも夢で彼奴はしっかりと目を見て俺を見た