第52章 きれた 太宰さん
あの時の太宰さんの顔
本当にびっくりして
私の顔をちゃんと見ずに
「天音くんなんか嫌いだ!」
って····
それを言うなら私の台詞···
コッコッコッ···
(普段だって私が敦くんや鏡花ちゃんと買い出しや見回りとかで街を歩いていれば、
太宰さんが綺麗な女性をエスコートしてる姿見れば同じ台詞は出る)
だけどそれは昔から
直らないから私は許していたのに····
ぱたっ···
(バカ···)
ぽん···
「?!」
突然頭を撫でられた。
「何を悲しむ天音」
「···おかえりなさい、芥川さん」
いけない
涙ひっこめ
今私を宥める事をしないで
ぺろ
「ひゃっ!···クロちゃん!?」
私の顔をクロちゃんが舐める
「くすぐったいよ~~クロちゃん」
「天音···お茶を頼む」
「はい··芥川さん···ありがとうございます」
「好いた奴を泣かせる訳にはいかぬ故」
「!(好いた奴!?)」