第50章 しらないしらない 15歳中也さん
「·····ぅ」
朝だ
俺は自分のベッドで寝ていた。
あの時は確かに彼奴はいた
俺を抱きしめ···
何かの歌を歌って···
あれをなんて言うんだっけ。
ーーーー····
「中也!これは〇〇だ!」
「〇〇?なんだそりゃ」
「私達にも必ずあった小さい時の記憶よ···優しく··抱き締めて、頭を撫でて···」
ーーーー····
かたん
(本に載ってるか?)
あの時言われた〇〇が分からない
だけど彼奴がした事は···
ーーー···
「太宰さん朝ですよ。···そんなにしがみつかなくても私はいますよ」
もぞ····
「君は私の····」
なでなで···
「····怖かったんですか?」
ぎゅっ····
「うん····」