第50章 しらないしらない 15歳中也さん
夜中なので屋敷内は静かだ。
起こさないように、歩き声の主を探す
「中原さん···?」
何となくだけど····中原さんの部屋が少し空いていた。
キイイ····
「中原さん···?」
部屋に入りベッドを見渡す。
そこには
がたがた···
「怖い····冷たい····ひとりはいやだ····」
毛布を握りしめ震える中原さん
ギシッ···
「中原さん···天音です」
ピクッ
「あま···ね?」
「天音ですよ、中原さん」
私は震える中原さんを優しく抱きしめる。太宰さんと同じように····頭を撫でて
背中を優しく叩く···
「···きーら···きーら··ひーかーるー··」
ぽん···ぽん···ぽん···
まただ···
この匂い···
俺が知らない
だけど···呼吸が出来る···俺は生きてる···