第4章 🐾3
なんとかあの公安のお巡りさんをやり通して数週間。
ほとんど家から出られてない俺にとっては軟禁されているようなもので、ストレスが溜まる。
「いい加減諦めて欲しいな。」
藍玉「そうですね。」
縁側で庭を見つめながらボヤく。
藍玉「頭。」
「ん?」
藍玉「あの例の邪魔してきたのことに関してなんですが。」
「ここではあれだ。中に入ろう。」
俺は自室に藍玉を招き入れ、藍玉の話を聞く。
藍玉の話によれば、その男は俺たちのことを嗅ぎ回っていて、もしかしたら接触を試みている可能性があるとか。
「公安がウロウロしてるのに接触……。となると、この家ではないな。どこかの取引先との交渉現場の可能性が高いな。」
藍玉「はい。もし、その者達が接触してきた場合はどう致しますか?消しますか?」
「いや、なんか……嫌な予感がする。接触してくることも考えて、瑪瑙を現場に行かせるほうが得策だろう。もし、何かあったら俺を呼べ。あのお巡りさんを撒いて行く。」
藍玉「わかりました。もし、頭に危険があると判断した場合。」
「俺の許可なしに発砲はするなよ。」
藍玉「何故ですか?!」
「いや、俺への過保護な思いは分かるがそれじゃ穏便に済ませられることもややこしくなるだろ?」
藍玉は賢いのだが、俺の事になると俺の事しか見れなくなって馬鹿になるのがたまにキズ。
だが、それも俺を思ってのことだから責めはしない。
藍玉「……。」
藍玉は納得がいかないっといった表情でそっぽを向く。
「分かった分かった。何かあったら俺じゃなくて俺に変装した蒼玉に行かせて俺は部屋で大人しくしてるよ。だから発砲はするなよ?」
藍玉はムスッとした表情からパァアと明るい表情になり、頷く。
藍玉「はい!」
「あぁ、それと。もしこの家に来た場合だが客として扱え。下手に敵として接するな。もし相手が武器を持っていたら危ないからな。おやじが残してくれたこの家を傷物にするのは嫌だからな。」
藍玉「わかってますよ頭。だからそんな悲しい顔をしなしで下さい。」
藍玉にそっと抱きしめられ、ハッとする。
そうかそんな顔をしてしまっていたか。俺もまだまだだな。