第2章 新しい生活の前に
現在自分の部屋のリビング。
天気がいいから買い物に行きたいけど、今日は合格通知が届く日だから外に行っちゃ駄目とお母さんに止められた。
だから、家でのんびりするしかない。
ずんたん、ずんたん。
音に合わせて真白ちゃんがダンスをしてる。
器用に二本足で立ち、TVの中で踊っているオールマイトのダンスに合わせて一緒に踊ってる。
ずんたん、ずんたん。
腰に手を当てようと頑張ってるけど、おててが小さいからできないんだよなぁ。体に腕全体が当たってる。空間がないっていうか隙間がないっていうか。
それでもできたことにして、次のダンスに移っていくから可愛い。
「あら~~、真白~~雛~~合格してるわよ~~」
『えっ!?』
慌ててソファから立ち上がってお母さんの所に行くと、合格通知の紙を見ながら嬉しそうに笑ってた。でも紙を渡してくれない!
「えーっと、基本点が16?救助活動P50点!あら、この点数は何かしら?」
『あー足を怪我した子がいたから』
「あら、その子は大丈夫?」
『うーん、合格はきついと思うなぁ。そもそも対人戦じゃないと発揮できない個性だったし』
「まぁ、相性が悪かったのね……。場合によってはいい結果が出せたのに悔しいでしょう」
いつの間にかにお母さんの肩に乗ってた真白ちゃんが目を輝かせてる。
そういえば、真白ちゃんが生まれてすぐにやったことはヒーローになるためのトレーニングだった。
かっちゃんが体を鍛えてる横で、一緒になって真白ちゃんもトレーニングをはじめて。可愛かったなぁ。
その後私も付き合いでトレーニングをしてて。
気づけば真白ちゃんはオールマイトのクッズを咥えて帰ってくるようになって。誰が渡したかなんて今でもわからない。
でも、それが切っ掛けで真白ちゃんの夢を知った。
たぶん、真白ちゃんはオールマイトに憧れてヒーローになりたいんだ。
『頑張ろうね、真白ちゃん!』
真白ちゃんが思いっきり首を縦に振ってる。