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君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】

第14章 dolore


俺の言葉に答えるように、翔さんが俺の両足を抱え込み、ついさっきまで翔さんの指が挿っていたソコに中心を宛てがう。

俺はゴクリ…と息を飲んだ。

きっと指なんかとは比べ物にならないくらい痛い…ってのは、俺自身実際に体験したわけじゃないけど、経験上良く知ってる。

だから…かな…

俺の様子を気遣いながら、翔さんがゆっくり腰を進めてくれてるにも関わらず身構えてしまう。

それでも強ばった身体に押し入って来ようとするから、身体に感じる苦痛は尋常じゃなくて…

全身を真っ二つに裂くような痛みから逃れようとした手は、知らず知らずのうちに翔さんの背中に爪を立てていた。

「さと…、お願いだから力抜いて…」

俺を傷付けないための言葉だって分かってるけど、激しい痛みしか感じない俺の頭では、どうしたら良いか考えることなんて出来ず…

ただただ呼吸を荒くして、首を振り続けた。

そんなことしたって痛みから逃れることなんて出来ないことを、俺は充分過ぎるくらい知ってるのに…

そうだ…、いつだって平気な顔して俺を受け入れてたけど、きっとニノも…

徐々に麻痺して行く思考の端っこで、ぼんやりとそんなことを考えていると、視界が突然陰に覆われて…翔さんの唇が呼吸を乱す俺の口を塞いだ。

舌先を絡め取られ、口の中を満遍なく舐め回されて…

初めてだった…、全身の力が一気に抜けて行くような…、乱暴で…、だけど優しくて、甘いキスをされたのは…

そして俺の中が翔さんで満たされた…、と分かった瞬間、胸の奥が凄く熱くなって、ついでに目頭まで熱くなって…

固く閉じていた瞼を薄らと持ち上げると、そこには幸せそうに微笑む翔さんがいて…

ああ…、俺達漸く一つになれたんだ

そう感じた時、俺の胸にポツリ…と熱い雫が落ちた。

どうして…?
泣かないで…?
そんな顔で笑わないで?

お願いだから、

「ごめん…、智…、愛してる…」

愛の言葉を囁きながら、謝ったりしないで…?
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