君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】
第13章 coda
ほのかに熱を含んだ目で俺を見あげながら、智の指でが俺のベルトを外して行き、チャックに手がかかったところで、ゴクリ…と俺の喉が鳴った。
童貞じゃあるまいし、何度も経験したことのある行為なのに、何故こんなにも緊張するのか…
今俺の目の前にいるのが智…だからなんだろうか…
チャックを下ろし、前を開いたそこに智の指が触れる。
軽く指の先が触れただけなのに…
直に触れられたわけでもないのに…
こんなことを言ったら智に笑われるかもしれないけど…、それだけで達しそうになる。
『おっきくなってる…ね…?』
そう言った智の目が、心做しか潤んで見える。
きっと俺以上に、智は不安だったんだと思う。
もし俺が智を受け入れられなかったら…
智はそれても構わないと、途中で止めたってかまわないと言ったけど、実際は違うだろうから…
表情にこそ出さないけど、心の奥底てはきっと願っていた筈だから…
最後に一度だけ…、と…
俺はベッドに着いていた手を智の頬に当てると、智の耳元に口を寄せた。
「智のせいだよ…?」
『え…、俺…の…?』
「そう…、智があんまり可愛いくて、そんな智が好きで好きで堪らないから、だから…」
大胆に見えて、実は照れ屋の智だから、また視線を逸らされると思った。
…が、俺の予想は大きく外れた。
智は嬉しそうに目を細めて笑うと、パンツをずらした俺の下着の中に手を突っ込んで来た。
「うわっ…!」
それには流石の俺も驚きを隠せなくて…
下着の中の手に中心を握り込まれたら、もう腰が砕けるんじゃねーかってくらいに気持ち良くて…
「さと…、それ…、ヤバい…って…」
油断したら溢れてしまいそうになる射精感を誤魔化すかのように、俺は智の中心に手を伸ばした。
「俺ばっかは狡い…」
って、子供みたく唇を尖らせながらね(笑)