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君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】

第2章 calando…


「もしかして…だけど、怒ってる…よな…?」

わざわざ聞かなくても、ニノとは短い付き合いでもないし、ニノが考えてることは顔見りゃ大体のことは分かるけど、無言の圧力程恐ろしいモノはない。

俺は空になったビールの缶をそっとシンクに置くと、静かーにキッチンの床に正座をした。

「で…どこから話せばいい?」

とりあえず言い訳だけはさせて欲しい。

「そうだな…、まずはこんな時間まで、どこほっつき歩いてたか聞かせて貰おうか…」

良かった…、一応話しだけは聞いてくれるみたいだ…

「それは…あれだ…、どうしても欲しいモンがあって、駅前のショッピングモールに寄ったんだけど、人の多さに酔っ払って…。それで、外でボーッとしてたら雨が降って来て…」

そう…、元々人混みが苦手な俺は、買い物客の賑わいに息苦しさを感じて、それでその場から逃れるように外へ飛び出したんだ。

そしたら雨が降って来て…

「ふーん…。で、何でバイトサボってそんなトコ行ったの?」

「べ、別にサボるつもりは…。電話だってしようと思ったけどさ、スマホ持って出るの忘れて、それでつい…」

嘘じゃない…、大体今のバイト先だってニノの顔があって働かせて貰ってるわけで、そう簡単にサボれる筈もないし、サボるつもりだってない。

「それでついでに鍵も忘れて? って言うかさ、お前財布も持ってってないよね? そんなんで良くショッピングモール行こうと思ったよね…?」

あ…、そうだった…

とことん呆れ口調で図星を差された俺は、もうひたすら項垂れるしかなくって…

「ごめん…」

自分の間抜けさに、今更ながら情けなくなってくる。

「ほんと…、マジごめん…」

ニノが怒んのも無理ないか…
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