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自殺したら龍王の巫女(女)に転生しちゃったんだけど・・・

第4章 ドラグノスの1日(悪報編)



娘が生まれて早3ヶ月、披露目の日も近い。

多くの者たちに我が娘の姿を見せる…

それは同時に娘にも危険が及ぶ可能性が出るということでもある。

「リオラを側付きの騎士にしたとしても限界がある。愛しい娘を危険な目に遭わせることは断じて許されぬことだ…この龍王国のためにも…」

「龍王様、狼王国より使者が参りました。何やら急ぎだと…」

「通せ」

狼王国から来たという使者は膝を着き、深々と頭を下げる。

「お目通り感謝いたします、龍王ドラグノス様。私は、狼王国の狼王、ウォールド様の命でこの書状をお届けに参りました。どうかお受け取りを…」

使者からの書状を受け取り広げると、そこには見たくもない言葉が並べられていた。

“戦争”

「また、争いが起きるというのか…この龍王国でさえほんの数十年前に争いが起きようやく民も落ち着いて来たところだというのに…」

「お気持ちはご最もでございます。我らが狼王も同じ心情。故に此度の巫女姫様のお披露目会の日、狼王自らがこちらへ赴くと仰せです。」

なんと、あの狼王ウォールドが自らこの龍王国へ?

「しかし、ウォールドは大の赤子嫌いであったはず。」

そう、ウォールドは大の赤子嫌い。いつか自らの王位を跡取りへ譲らねばならぬ立場だと言うのに、赤子嫌いという理由だけで正妻を娶るどころか見合いすらしないと聞く。

そんな相手に我が愛しの愛娘を会わせることなど出来ようか…

それに、戦争と娘の披露目に何の関係があるというのだ…

「龍王様の仰る通り、我らが王ウォールド様は赤子嫌い。しかし、狼王国が誇る占い師が予言を出したのです。占い師の予言は書状にも書かれている通りです。」

私はもう一度書状に目を移す。書状にはこうあった。

“龍王の巫女姫の披露目の日、悪しき野望が巫女姫を汚す”
“阻むには、狼王自らが巫女姫にお目通りすべし” と…。

娘のフィラルシェーラを守るには狼王であるウォールドが自ら赴くべきである…ということか。

「今まで予言を外したことがなく、狼王国へ多く貢献してきた占い師の言葉である故、ウォールド様もご承諾済みでございます。」

あのウォールドがそこまで…

「承知した。こちらもこの書状について全て承諾しよう。承諾の書状を記す故、しばし待て。」

此度の件、大事になる予感がするな…。
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