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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第27章 翔ぶ


執務机の脇に立っていたミケからは、エルヴィンの碧い瞳がよく見えた。森の奥深くにある湖の水面で陽光がキラキラと煌めいているかのように、碧く、深く、知性の光が輝いている。

「マヤが… 舞踏会の報告に来たときに、すべてを話さなかったんだ」

「……は? どういうことだ?」

「マヤは滞りなく任務を終えたと報告を上げた。王都に行き、レイモンド卿にミュージアムを案内してもらったあとは舞踏会に出席して、途中でペトラが少々体調を崩したり、マヤが借り物の装飾品を一時紛失したりとアクシデントはあったものの、すべて解決して無事に任務を遂行したと。この場合の任務は “資金集め” だ。そのためには招待主であるレイモンド卿の意向に沿い、機嫌を伺い、より多くの寄付を引き出さなければならない」

「そうだな…。遊びで踊りに行った訳ではないからな」

ミケも今回のマヤの王都行きの趣旨は “資金集め” だと重々に承知している。

「だからマヤが任務を完遂しましたと報告してきたとき、一つだけ質問したんだ。レイモンド卿に関して、今報告してくれた内容以外に何か付言しておくことはないかと。特にありませんと返答したが、わずかにためらいがあった。あれは… 何かあったに違いない」

「マヤが嘘の報告をしたと…?」

素直で正直で真面目な可愛い部下のマヤが虚偽の報告をしたと言われて、ミケは眉をひそめた。

「嘘とまでは言わないが…。積極的に報告しなかった何かがマヤの身に起こったのさ。だがそれは非常にプライベートかつデリケートな問題なんだろう、マヤにとっては。だから “任務” として報告すべきかどうか迷った… そんなところだ」

「それは… 問いたださなくていいのか? 任務に少なからず影響があることなら、プライベートもデリケートもないだろうに」

「今はマヤのプライバシーを尊重する。しかしそのうちマヤの意向と関係なく向こうからやってくるだろうな…」

「向こうとは?」

「レイモンド卿さ。そのときはおのずと王都で何が起こったか白日のもとに晒されるから、リヴァイの反応が今から楽しみだな」

手にしている黒檀の万年筆をもてあそびながら、エルヴィンは悪戯っぽい笑みを浮かべた。


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