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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第26章 翡翠の誘惑


目の前で赤面しているモブリットに、マヤはふと疑問を覚えた。

……あれ? さっきハンジさんの部屋で寝ることになったの… 意識しなかったって…。

「モブリットさん…。全くなんとも思わなかったって言いませんでした? 合理的で無駄がないからって…」

「あぁ、そうなんだけどな…。実際なんとも思ってなかったし、分隊長の風呂も… 初めて入ったときは大丈夫だったんだ」

「そうなんですか…」

「研究に没頭して分隊長の部屋に泊まる日がつづいて、とうとう風呂嫌いの分隊長が入浴したんだ。当然分隊長が先に入った。そして次に俺。俺が風呂から出たら分隊長は机に向かって研究のつづきでノートに難しい計算式を書き殴ってぶつぶつ何かつぶやいていたよ。濡れた髪はろくに拭きもせずにタオルで巻いてまとめてあった。俺が風呂から上がったと気づいてこう言ったよ “モブリット、ここなんだけど改善の余地がまだまだあると思うんだ”。正直なところ俺は勘弁してくれと思って “分隊長、明日… というか今日だけど朝が早いんでもう寝ましょう” と返した。すると先に寝ろとノートから顔も上げずに言うんでね、“あぁもう、明日じゃなかった今日! 倒れたって知りませんよ!” と本当に先に寝たんだ。分隊長につきあうには体が資本だからね。倒れたら元も子もない」

確かにそのとおりだとマヤは同意を示すために、うなずいた。

「ひと眠りして起きたら朝になっていて、分隊長は笑うんだ “いやぁ君の寝息がリズミカルで、おかげで計算がはかどったよ” とね。そんなことがつづいていたある日…」

少し落ち着きを取り戻していたモブリットの頬の赤みが、また濃くなった。

「何度目かの分隊長の入浴だった。もうすっかり分隊長が先に入って俺が後、出てきたら分隊長が一心不乱に研究しているというパターンが確立していた。だからあの夜もいつもどおりの夜のはずだったんだ…」


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