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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第26章 翡翠の誘惑


……俺の気持ちは決まっている、ずっと前から。

マヤ以外の女なんか目もくれねぇ。この先… 心も肉体も…、マヤのすべてを手に入れるのは俺だけだ。

もし万が一、マヤを傷つけるやつが現れたら殺す。

……俺には、マヤしかいねぇ。

今すぐにでも奪えばいいのだろうか。

いつも部屋の前まで送っていくが…。

あの扉を押し入って、マヤを力ずくで抱きしめて、くちびるを強引に奪って、ベッドに押し倒して。マヤが泣こうが叫ぼうが、兵服を引き裂いて、白い肌に俺の印を咲き散らして。マヤが意識を飛ばすまで何度も何度も俺の熱い想いで貫いてしまえば。

そうすればマヤは俺のものになるのだろうか。

わからねぇ。

こんな気持ちには生まれてこの方なったことがねぇんだ。

女なんて抱きたいときに抱ければいい。

ただそれだけの…。

恋愛感情なんか関係なかった。自分がこんな無様にも感情に揺さぶられて、どう動けばいいかわからなくなるなんて。

……クソが!

やはり今すぐ引き返してマヤの部屋の扉を蹴破って犯してやろうか。

最初は嫌がって泣き叫んでいた生娘のマヤの悲痛な声が、快感に溺れた女の嬌声に変わるまで。

朝まで抱き潰してやる。

リヴァイの足が止まる。

何秒経っただろうか。

再び、自身の部屋のある幹部棟に向かって歩きはじめる。

……俺は何を妄想しているんだ。本当にどうかしている。

自分の欲望を貫いて肉体を手に入れたとしても、それはマヤを手に入れたことにはならねぇじゃないか。

俺が本当に欲しいのは、マヤの笑顔だ。

そのためには…。

リヴァイは考えつづけた。そしてこう結論づけた。

……時機を見て、けりをつけねぇとな…。

いつまでもこうしてはいられねぇ。うかうかしていると他の男がかっさらっていくかもしれねぇ。

俺のものにしなければ。

心が決まると、途端にリヴァイの足取りは軽くなる。

幹部棟に入るころには、雲がかかっていた天空の月も晴れて、すっきりと白く輝いていた。


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