第1章 『その呼び方は尊敬と… 』
【独】
睨みつけるように有栖川の瞳を見る。
一瞬呆けたような顔をした有栖川。
すぐに口元が笑みに変わり好戦的な瞳になった。
「じゃあ、黙って俺に喰われねぇように抵抗しろよ。」
じゅぷぷ。
奥まで貫いていた陰茎が一気に引き抜かれる。
それだけで脊髄まで甘く痺れてしまうのが悔しい。
「ほら、ケツこっちに向けろよ。」
命令口調が癪に触るけれどセックスはしたいから、体を起こし四つん這いになる。
有栖川は俺の腰を掴み自分の身体に引き寄せる。
「抜いたってのに、早く喰いたいってヒクついてんぞ?」
早く入れて欲しい。
奥まで突いてまたイかせて欲しい。
そんな気持ちとは裏腹に口は言葉を紡ぐ。
「そんな粗末なブツじゃあ満足しないんでね、クソガキ。」
「じゃあその粗末なモノでガンガン突いてやるよ。」
開いた穴に当てがわれる普通よりも大きなモノ。
一気に奥まで貫かれるかと思いきや、ゆっくり挿入し1番太いところで浅く抜き差しをする。
早く欲しいと無意識に締め付ける浅ましい身体。
背後を見ると目を細めニヤリと笑う有栖川。
「粗末なモンじゃあもの足りねえか?」
「ああ、入ってるかすらわかんねえなぁ。」
「そうかよっ!」
「っ!!」
一気に貫かれる身体。
快感で震えが止まらない。
「一発でイくほど良かったか?」
「ンな訳…ないだろっ…クソガキッ…」
「クソガキの粗末なモノが欲しいからって腰振ってンじゃねえよ。」
「その粗末なモノでイかせられるようにさっさとお前も腰振れよ。」
「へいへい。」
マットレスについていた腕をぐいと引かれ、上半身が起こされる。
ナカに収まる有栖川の陰茎は角度を変え俺の良いトコロに当たった。
やばい。
ここを擦られたらおかしくなる。
待って、そう口から出る前に有栖川の腰が動き始め、俺の前立腺をぐいぐい擦った。