ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第20章 Los Angeles
「ちょ、ちょっと待ってくれ?お前どうしてそう言いきれる」
『…どうしてって、昔から迷惑ばっかりかけてきたし、たくさん傷つけちゃったし…』
「いや…だとしたって、今もお前らは一緒にいるだろ?それに仲だって良いじゃんかよ。そもそも、告白だってしたことねえんじゃねえのか?」
『告白!?しないよ、そんなのできるわけない!』
「なんでだよ?」
『好きだなんて言ったら困らせちゃうし…もしかしたらそのせいで色々壊れちゃうかもしれないでしょ?一緒にいられなくなるくらいなら、もうこのままでいい。だから言えない』
「……辛くないのか?」
『一緒にいられなくなる方が辛いもん…。ねえ、ロボさん』
「なんだ?」
『好きな人が自分を好きって言ってくれるのって嬉しい?どんな感じなの?』
「…そりゃあ、嬉しいに決まってる!何にも代えがたいくらい幸せなことさ!この世でたった1人の大切な人が、同じように自分を想ってくれてるってことなんだからな」
『へえ、そうなんだ!…そう、だよね……っ』
「…っおい、ユウコ…」
『ごめ…っ、そっかぁ…いいなぁ…羨ましいなぁ…』
「なあ…もし、アッシュに好きだって言われたらお前はどうする?」
『やめてよ…そんなの、ありえないのに…』
「言ったろ?もし、だよ」
アッシュに好きだと言われたら、か…
どんな風に言ってくれるのかな。
ーー「ユウコ、好きだ」
『ッ…!!』
勝手な妄想なのに…こんなこと、一生言ってもらえるはずがないのに…
私はロボさんが言っていたように嬉しくて、とても幸せな気持ちになった。
「ったく…その顔、見せてやりたいぜ…
んで、あいつもとっとと男見せやがれってンだ」
ボソボソとロボさんが何を呟いたのか、私には聞こえなかった。