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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第18章  動き出す


「…うー…クッセェ…」


地上に上がると全員ゼェハァと息を荒らげていた。


『……はあっ…』


え?イベさんに、この人は刑務所で面会したロボさん?…2人ともどうしてここに。





「ここは…?」

「…入江のひとつさ、倉庫の裏側だから死角になってんだ。魚市場からは50mと離れちゃいないけどな…」


「あ〜、エージは気絶しちまってるよ…」


「英ちゃん!おい英ちゃん、しっかりするんだ!」

「ふーっ…早くここからズラからねえと」


「………」


隣にいたアッシュがフラッと立ち上がり歩き出した。


『…アッ、』
「おいアッシュ!おまえどこ行く気だ!」

「……」

立ち止まらないアッシュにロボさんが更に声を荒らげる。


「おまっ!…まだ懲りねえのか!!」




「……うるせえな、あんたにはかんけ…っぐあ!!」

『!!!…アッシュ!?』


ロボさんが突然勢いよくアッシュを殴った。




アッシュは気を失ってしまったのかピクリとも動かない。



『………ッ』



それを見た瞬間カッと一気に頭に血がのぼった。



「「えーっ?!」」


ショーターとイベさんの声が重なったと同時に、私は立ち上がりアッシュに近づくロボさんの足を払った。


「うおっ!?」


よろける体の下に入り込み背負うように地面に投げつけ、胸ぐらを捻りあげる。



『…〜〜っ!!!!』

「…う…っ!!!」



「「ええーっ!?!?」」



『……ッ…アッシュに、なんてこと…!!』

「わ……わるかっ……お、い離…せ」



「お、おいバカ!ユウコ!離れろ!!」


後ろからショーターに無理やり剥がされる。



『バ、カじゃ…ない!…アッシュは…撃たれてたのに…っ、この人が…ッ!!』

「わかった、わかったから!落ち着け!」


ショーターに抱えられ全く動けなくなった。


「…っ…ふー……ったく!ムショの中で見た時はいじらしくて可愛い子猫に見えたのによォ…随分とお転婆じゃねえか」

『……っ』

体を起こし視線を合わせたロボさんに頭をポンポンと撫でられる。


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