ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
『…っん、ぁ…ぅ!』
まだ肌に残るキスマークを唇でなぞりながら、膨らみを包むように撫でるとユウコの体は断続的にピクン、ピクンと跳ねた。
「……っ」
僕の喉がゴクンと鳴る。
甘い、セクシーな高い声、
キミは本当にユウコなの…?
ユウコは女の子。
そんな当たり前でしかないことに何故だか無性に胸がドキドキした。
やわらかい…かわいい…
すき…あいしてる…
この声、もっと聞きたい。
僕はここを触られて泣いているユウコしか知らない。だからさっきもここにだけは触れることができずにいた。
でも今ユウコは泣いていない。
気持ちよくしてあげるなんて言ったけど、僕は上手なペッティング?の仕方を知らない。今までのセックスを必死に思い返しても気持ちいいなんて感じたことは1度もないし、女の子の体にこんなふうに触れるのはもちろん初めてで…本当に分からないことだらけだった。
だからとにかく優しく、壊れやすい宝物を扱うように触れた。
『ッ…んぁ、ァ…ス…』
「っあ……ごめん、痛い…?」
『…うう、ん…っ』
「…そっか」
すると、ユウコは太ももをすり合わせて甘えるような声を出した。
『ぅ…んん…ン…』
「ユウコ…?」
どうしてあげたらいいのか悩んでいると、
「……触れてやれ」
「!?」
突然目の前の仮面の男が周りに聞こえないような小さな声でボソッとそう言った。
「…この様子ならもう充分だ」
え…?
この声、知ってる。
いやでも…もしそうなら
ユウコに傷をつけたのも、
ナイフを胸に突きつけたのも…
そんな…うそだ。
「…まっ」
「無駄口を叩くな」
「っ!」
「…俺が教えてやる、下着を脱がせ」
「……」
「早くしろ…お前がショーを終わらせない限りユウコはこのままだ。それとも、お前はいつまでもこの変態どもにコイツの裸を晒していたいのか?」
「…っ…ざけるな」
「…今はユウコを1番に考えてやれ、苦情はあとで聞いてやる」
『…ジョ…セフ…ッ?』
「っ…あんなやつ、いないよ」
『でも』
「いないから!
…僕のことだけ考えてて」
僕は黙らせるようにキスをした。