第1章 初恋と友達
終学活が終わり、僕と蓮太が話していた時だった。
『出久!』
君はまた笑顔で、僕のところに来た。
『一緒に帰ろう!』
「うん!」
奏の横からひょっこりと優花さんが現れた。
「もう、奏ったら、出久くんのことしか話さないもん!」
「そう言ったら、出久も奏さんのことばっかり話してるよ」
蓮太と優花さんの話を聞いて、僕らは顔を見合わせた。
恥ずかしくなって、顔が真っ赤に染まる。
「いっそのこと、二人で帰っちゃえば?私は蓮太と話して帰るから」
優花さんの発言に、なぜか蓮太が一番驚いていた。
『じゃあ、そうする?』
「うん!」
僕は彼女の言葉に頷いた。
『じゃあね、蓮太さん、優花』
「バイバイ!」
僕らは一緒に歩いて行った。
二人で帰るって緊張するなぁ。
朝、一緒に行ってたクセに……。
やっぱり、好きだと思うと違うんだな。
『出久って、カラオケ好き?』
「うん!歌うの大好きなんだ!」
『じゃあさ、みんなで行こうよ!』
「うん!」
彼女とそんな約束事をした。
好きなものも合うって、すごいなぁ。