第1章 初恋と友達
そして、蓮太と優花さんが話し込んでいて、僕らは沈黙していた。
『ねぇ、出久』
沈黙を破ったのは、彼女だった。
『今日、一緒に帰ろう』
「いいよ!僕も言おうか悩んでたところなんだ」
『やっぱり気が合うね。さすが、ぼっち同盟』
「もう、ぼっちじゃないよ」
『えっ?』
僕の言葉に彼女は首を傾げた。
だって、僕らは出会ったじゃないか。
そして、僕らにも……。
「友達が居るじゃないか」
『あっ……』
僕らにも友達が出来たじゃないか。
蓮太と優花さんが居るじゃないか。
僕にも、君にとっても幸せなことだろう。
奇跡みたいなことじゃんか。
『そうだね!蓮太さんと優花は大切な友達だもんね!』
「うん!」
僕らがそんな会話をしていると、蓮太達が振り向いた。
「そうだ、俺らはお前らの大親友だからな」
「うん!大事な友達だよ!」
そう言って、二人は笑ってくれた。
「ありがとう、二人共」
『本当に、ありがとう……』
そう言っていると、チャイムが鳴った。
『じゃあね、出久。また帰りにね』
「うん!じゃあね」
彼女は自分のクラスに戻って行った。