第1章 初恋と友達
本当に夢みたいだ。
僕があのリーダー的存在の蓮太と話せたんだ。
いや、彼女に出会えたことが本当の奇跡だ。
奏に出会ったおかげで、僕の世界は広がってきてる。
授業が終わって、また10分休みになった。
蓮太が僕のところにやってくる。
「今日さ、学校来る時にお前ら話してるところ見掛けたんだ。お前、意外と話しやすいヤツだなぁと思って話し掛けてみたんだ」
「そんな……ありがとう」
話し掛けてくれるだけで僕にとって奇跡だからね。
蓮太は嬉しそうな僕を見て微笑む。
「出久。お前はアイツが好きなの?」
「えっ!?」
「恋愛相談ならいくらでも乗るよ」
そう言われても、まだ彼女のこと分からないし!
「よく考えてみろよ。ずっとアイツのことを考えてる?アイツの一つ一つの行動が愛しいって思える?」
「あっ……」
そう言われると、全部当てはまる。
「その顔は合ってるってことだな」
「いやぁ、そんな……」
「頑張れ。俺は出久の恋が成熟するのを応援するよ」
「あっ、ありがとう。相澤君……」
そっか、僕は彼女に恋してるんだ。
僕は彼女が大好きなんだ。
「蓮太で良いぜ。じゃあ、俺は席に戻るよ」
そう言って、蓮太は呼んでいる友達の方に行った。