第6章 メロディー
『やっと会えたね、出久』
「うん……うん!」
周りの目など気にせず、僕らは強く抱き締め合っていた。
「前世からの知り合いだったとは……」
なぜか、飯田君が呟いた。
『私の個性は“メロディー”。自分の歌声で、色んなことも出来る。マイク先生みたいに攻撃もね。そして、今は記憶伝達を使って、みんなに流したんだ』
「すごいね!僕はバリバリのリスキーパワーだよ」
僕が笑うと、君も笑った。
「何だ、クソデク……テメェ、ヤベェヤツだったじゃねぇかよ」
「勝己、うるさい。僕は木偶じゃないからね」
「はぁ!クソデク!?」
勝己は目を見開いて固まっている。
「緑谷、それって前世の性格なのか?」
「そうだよ、切島」
切島が驚いて面喰らっている。
「お前、普通は呼び捨てしねぇヤツだよな?」
「ん?焦凍、もともとの僕はこんな人間だから」
「なっ……」
焦凍が明らかに驚いている顔をしていた。
『出久、そんなに正反対な後世の人間だったの?』
「うん。自分で言うのはおかしいけど、あれは怯え過ぎだったよ」
みんなに驚かれても仕方ないだろうなぁ。