第6章 メロディー
体育祭の練習が終わり、廊下で僕は彼女とぶつかった。
それから話すようになって、蓮太と優花さんと友達になったんだ。
二人でデュエットしたら、褒められたんだ。
だから、一緒に歌手を目指そうとしたんだ。
僕が頑張ってプロポーズしたんだよね。
君は泣きながらいいよって言って、しばらく離れなかったよね。
それから、テレビにも出るようになって。
歌手はもちろんのこと、ドラマやバラエティーに出たりした。
とても幸せな毎日を送っていたんだ。
そんな時に君は……。
涙が止まらない。そうだ、君はあの……。
『死にたい』って言うから、僕は一緒に死のうと言った。
最後に頑張って歌を作った。
最初で最後の自作曲で、超大作だったんだ。
そして、最後に僕らは首を切った。
思い出した。君は……。
「今日も、今日も、言おう……お互いに、ありがとう……」
『出久!』
「奏!」
僕は彼女を強く強く抱き締めた。