• テキストサイズ

もう一度君に会えたなら【緑谷出久】

第6章 メロディー





相澤先生が来て、ささっと席に着いた。


「今日は転校生が来ている。来い」


入り口に入って来たのは、黒髪の美しい少女だった。


そんな彼女の姿を見て、僕は目を見開いた。


『隣のヒーロー科の高校から来ました、前原奏です。よろしくお願いします』


前原さんか……とてもキレイな人だなぁ。


「じゃあ、緑谷の隣に座れ」


僕は相澤先生の言葉に目を見開いた。


彼女は僕の隣の席に座って、微笑んだ。


『出久……』


「えっ……」


何で、この子が僕の名前を知っているんだ?


体育祭のを見てたと言っても、普通は緑谷って呼ぶはずだ。


だけど、この子は前から知っていたような気がするんだ。


「緑谷。思い出したか?」


「えっ?」


相澤先生の言葉に首を傾げた。


そんな僕を見て、隣の彼女は悲しい顔をして俯いた。


「じゃあ、ホームルームはこれで終わりにしてやる。前原、やりたいことをちゃんとやれ」


『はい』


彼女は立ち上がって僕を見た。


『出久、忘れちゃったかな?私の個性で教えてあげるよ』


彼女はニコリと笑った。


『私達の超大作、“お互いにありがとう”』


彼女は歌い出した。


その美しい歌声と共に、何かの情景が浮かんだ。



/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp