第6章 メロディー
僕は雄英高校ヒーロー科一年A組の緑谷出久。
「デク君!なんか転校生来るみたいだよ!」
麗日さんの言葉に首を傾げる。
「えっ?雄英に転校生?」
「うむ!最高峰の雄英に転校出来るほどの実績を持っていることだな」
飯田君が自分で納得していた。
僕は空を見上げた。
「デク君。最近、空ばっか見とるよ?」
「いやぁ、そうだったかな?なんか物足りないんだよ」
「緑谷君、君はヒーローになりたいんじゃなかったのか?」
「いやぁ……」
僕の言葉に飯田君が言った。
僕はまた空を見上げて言った。
「なんか、大事な物を忘れてる君がする」
「大事な物?デク君にオールマイト以上の大切な物ってあるの?」
「まぁね」
寮から教室までの道のりを麗日さんと飯田君と一緒に歩いていた。
教室に入ると、かっちゃんがあからさまに睨み付けてくる。
「おい、デク。テメェの顔なんざ見たくねぇんだよ!」
「朝から何だ君は!爆豪君、今日は転校生が来るんだぞ!」
「はぁ?転校生?こんな雄英に呑気に入れるヤツなんて居るんだなぁ」
かっちゃんがめちゃくちゃ怖い顔で飯田君を見つめている。
「お前ら、座れ」