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文スト夢短篇集

第2章 不思議の夢の歌劇愛好家«ミュージカルマニア»


私は、ポートマフィアのしがない事務員である。戦闘とは無縁の、それでいてかなり地味な部署の事務員だ。同僚は、仕事がデキるというよりは、仕事中毒«ワークホリック»気味な塩麹系インテリ美形男子の坂口安吾である。

ところで、ポートマフィアという組織は、何処の部署であってもかなり給料がいい。特に内務の事務員は銃撃戦に巻き込まれることも無いし、最高だと思う。
とは言え、非合法活動を行う組織故、内部の情報を漏らさぬように内務の事務員は、普段の生活をある程度制限される。それでも私は、組織内で信頼を集め、コネを作り、密かな楽しみを享受する事が最近許される事になった。

私の密かな楽しみというのは、ミュージカル鑑賞だ。こういう組織にいると、チケットも良い場所を手に入れる事なぞ造作もないというのも、この職場の良い所だ。今日は、職権乱用裏ルートでゲットしたチケットで大ヒットミュージカル・エリザベートを観に行くのだ。
だからこそ今日は、いつも以上のスピードで仕事をさっさと片付けようと、少し浮き足立ちながら仕事をこなしていた。

しかし、それが後で思わぬ不思議な出来事を呼び寄せる事になるとは気付かなかった。
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