【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第1章 淡い。
あまりの息苦しさに、彼は目を覚ましたようで。
「ん゛ぅ゛…っ!!」
『うるさい、少し黙ってて』
殺すべき海賊を助けた上に看病している、なんて、彼等知られたら厄介だ。
それに、いくら海賊でもこんな高熱の状態では、視界も歪んで立つこともままならないだろう。
『すぐに終わらせてくるから…、』
「う゛ぅ゛うう゛…ッ!!」
血走ったような、殺気じみた目で彼は私を睨みつける。
刀は遠くに放り投げておいたから、切りつけられる心配はない。
けれど、高熱の今、頭に血が上っている彼が一番心配だ。
こうなってしまったのは、私の責任なんだろうけど…。
(…どうしたらいいの…)
完全に混乱状態に陥った私は、いつの間にか駆け寄っていて、彼を抱きしめていた。
暴れていた彼は瞳を見開き、大人しくなっている。
『大丈夫だから、ね…?』
「―――――――…」
コン、コンッ。
はい。
そう返事をし、私は玄関へ向かった。