【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第6章 花筏。
────だが、首が切れていない。
「─────ッ、!!」
「…………………、」
スゥッ、と、姿が変わっていく。
猟奇的な、魔女のような人魚の姿から、愛しい彼女の姿へ。
シェリルは少し眠たそうな、虚ろな表情をしていたが、幼さがあった。
フッ、と意識を手放したように、ギリギリ開いていた瞳を閉じる。
その倒れかけた体を、俺は抱きしめるように受け止めた。
「……シェリル、」
「………………、」
「おかえり、シェリル…っ、」
みんな待ってたよ、お前の帰りを。
もう、ずっと一緒だ、これから先、ずっとだ…。
だから、お願いだから、ここから離れないでくれ。
二度ともう、俺の隣から消えないでくれ。
何があっても、俺が絶対守り抜くって誓うから…。
「もう、放さねェぞ」
「…………………、」
「嫌って言っても聞かねェぞ、」
─────海賊は、奪うもンだ…、
欲しいモノは、力づくで。
俺の未来に、お前がいないなんてことはありえねェんだよ、シェリル。
こんなに惚れた女なんかいねェんだよ。
責任とれよ、このバカやろうが。
(お前だけを愛してるよ…、シェリル、)
─夢見ていた瞬間の時、─