【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第6章 花筏。
シェリルside
* * * *
「起きて、」
懐かしい人の、声。
聞いたことのある声が、私の耳に入った。
目を開けると、そこは、スウェルに沈められた、精神の底だった。
(…だれ、?)
「ここ、」
「………っ、!!」
何もしないわ、怯えないで。
「深い繋がり」がなければ、私の精神下に入ってくることはできない。
ローでさえ、安易に入ってくることができない、場所だ。
なぜ、知らない少女がいるのか、動揺が隠せない。
いや、顔は知っている、私が「一番」知っている。
私と同じ、瓜二つの顔。
青い髪に、深い藍色の目。
「わ…、たし…?」
「まるで現し身ね、私にそっくり。ローって子もチェシャに似て格好良かったけど、やっぱりシェリルが一番だわ、」
「…ロー、…チェシャ…っ、?」
あなたは知らなくていいの。
「それより、早く起きてあげて。あなたの愛しのトラファルガー・ローが、目覚めるのを待ってるわ…」
「―――――――っ、!!?」
グッと、腕を引かれて。
水底から上へ、水面へ、投げ飛ばされる。
彼女は私に、優しくにこやかに笑い、それを最後に消えた。
―お幸せに、私の現し身、―