【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第6章 花筏。
チェシャside
* * * *
『ずっと、傍にいてね』
『分かった、約束するよAlice』
『絶対、何があっても私を守ってね、約束よ…!!』
そう、約束した。
だから、俺は…、ずっと君の傍にいられるように。
君に危険が迫ったら、すぐに守れるように。
あの約束を、来世で必ず、果たせるように…、
────影になったんだ、
*
(あの時、果たせなかった約束を、今、果たそう…、)
閉じた瞳を、ゆっくりと開ける。
そこには、愛しい彼女が、Aliceが…、平然と立っていた。
変わらない白銀の髪に、それとは対称的に、漆黒の瞳…。
「遅くなってごめんね、」
「**、チェシャっ!!」
遅い、チェシャっ!!
「そんなに怒らないでよ、時間が必要だったんだ。…君を守るためには、誰にも負けないくらい、強くならないといけないだろう?」
「………ぅ…、」
俺をずっと見つめて、震えている。
服の裾をギュッと掴んで、ぽろ…、ぽろ…、と泣き始める。
子供のように無邪気に泣くのではなく、静かに、そっと。
(危なっかしい…、)
「ああっ、泣かないでよ、Alice」
「チェシャ、****…、」
チェシャ私たちは…、
「もう、二度と離れたりしないよね?」
「…あぁ、離れたりしない。ずっと一緒だ、傍にいる…」
愛しい笑顔が溢れた。
もう二度と、手放したりなんかするものか。
生まれ変わっても、君をずっと…、守ると、あの惨劇の中で、絶望しながら誓ったんだ。
「愛してる、チェシャ」
「─────っ、俺もだよ…Aliceっ!!」
生まれ変わっても、君を守るよ…。
(だから…、)
「お前は、俺が、殺す…ッ」
Aliceと俺の、現し身、生まれ変わり…。
シェリル・フローザー。
トラファルガー・ロー。
「亡霊が…調子乗るな、」
─同じ悲劇になんか、させない─