【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第6章 花筏。
スウェルside
* * * *
『…苦しいっ?』
にこやかに微笑みながら、見下して。
地面に這いつくばっている男は、私を見上げて命乞いをする。
彼の周囲には、すでに亡骸と化した仲間たちが、血だまりの中にいた。
苦しそうに短い呼吸を何度も繰り返し、ついには泣き出す。
だが、私は、そんな懇願を聞くほど、「良い人」ではない…。
「許してくれ」
「見逃してくれ」
「殺さないでくれ、お願いだ…っ!」
―――――まだ、生きていたい。
『……ふぅ……』
見苦しいよ、それ……っ!!?
狂った様な蔓延の笑みを、向ける。
絶望的な瞳、死を間近に見た人間の、この表情がたまらない。
パチン…ッ、と響きのいい音で指を鳴らす。
『Reidea…っ!!』
散々壊し尽くして、赤く染める。
賞金が高ければ高い海賊ほど、殺りがいのある人間は多い。
だが、最近は、億超の海賊でなければ、私を満たしてくれるような人物はいなくなった。
対等に、殺りがいのある、強い海賊がいない。
『あーあ…、つまらない』
―…あ、海賊船、一隻みィつケた…ぁ―