【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第5章 生花。
『うわあぁああぁああぁっ!!』
それは悲鳴ではなく。
彼女はただ、長年の夢が叶ったかのように、狂喜したように、蔓延の笑みを浮かべ、顔を両手で覆い…。
周囲の、真っ赤な炎や、惨たらしく殺されている人々の骸を一瞥もせず…。
ただ、立ち尽くす。
微笑みを投げかける先を見れば、彼女に対して殺意を剥き出しに、走りかかっている海賊たちだった。
『ねぇ、殺して、早く、私をぉおぉおぉぉおおッ!!』
眼光は燃え盛る炎で輝きを増す。
着実に、海賊を殺していくたびに、彼女が歪んでいくのが感じられた。
「ああ……っ!!」
ようやく身体が手に入る……っ!!
―彼女に、手を伸ばした―