【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第5章 生花。
『誰』
「―――――――っ!!?」
目は合っていない。
だが、私のいる方向に狂った様な目を向け、薄く微笑んでいる。
一瞬、背筋にスゥ…っと寒気がし、ビクついた。
私はすぐに平常心を取り戻して、彼女に伸ばしていた手を引っ込めた。
「私の声が、聞こえるか?」
『聞こえるよ。…あなた、誰なの?』
――――――幽霊なの…?
薄く微笑んだ口元は緩まず、そのまま、私のいる方向に顔を向け、視点を動かす。
『ねぇ、あなたは…私を殺せるの?』
「…お前なんて、意図も簡単に殺せるさ」
『何が欲しいの?』
驚きのあまり、目の瞳孔がぐっと大きく開いた。
私の存在を見つけられていないはずの彼女が、私の目の前に立ち、両手で、私の頬を挟むようにしている。
『みィつケた』
―――――ねぇ、あなたが欲しいもの、あげようか?
―狂った少女の取引と、―