【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第5章 生花。
シェリルのカラダ、意識も手に入れたワタシは、すぐ側にあった海へと飛び込んだ。
――――スウェルの過去。
ワタシは元々人魚だった。
同じ人魚である仲間たち、誰もが私に見惚れるほど、妖艶で美しい容姿。
その反面、彼女の歌声を聴けば、眠り薬のように人々は安楽死した。
生まれ持った能力で、彼女は海の底にある人魚の村を襲いに来る海賊たちを殺していった。
「あそこには【人間殺しの人魚】がいる」
仲間を守るためだったら、ワタシは何だってした。
でも、そんなある日。
海面から出て、地上に行った仲間が一輪の花を持ってきた。
綺麗、
ただ、ただ、そう思った。
地上に行ってみたい、もっと、あんな綺麗な花をたくさん見てみたい。
その一心で、ワタシは19歳になった誕生日に、界面から顔を出した。
―憧れた、眩しいほどの世界―