【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第5章 生花。
私は小さく笑い、自分の足元からの出ている地震の影を見つめた。
心なしか、それは私を嘲笑っているように見える。
―――――かわいそうなヒト…、
内なる声が聞こえ始め、ビクッと身体を震わせる。
うるさい、黙ってて。
これは私が望んだことなの、全部、ぜんぶ、どんなに苦しくても進むって決めたんだ。
―――――本当に?
ズズズ……っ
『―――――――ッ!!?』
手の形をした、すべてを飲み込んでしまいそうな漆黒の色をした…、影…が。
私の命令を関係なしに、自我を持ったように、勝手に動いている。
―――――なんで…、そんな顔してんのさぁ…。
『…なんで、アンタ、…動いて…っ』
無数の黒い手が、私に触れた。
真夏日だというのに、ひんやりと冷たい、明らかに人間ではない、影の手。
私の両手首をグッと掴んで仰向けに地面に叩きつけ、骨が軋むほど握りしめる。
あ゛っ、と、悲鳴にも似た声を吐き出し、痛みに表情を歪める。
―――――自分を見失っても大丈夫だよ、ワタシがいるから。
『…………!!』
―――――だから、シェリル、カラダを頂戴。
―蝕まれていく心が、―