【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第3章 散り際。
* * * *
まったく動かない指先では、無力。
ドフラミンゴはゆっくりと近づき、サングラス越しに私を見下ろした。
身長は…300センチ以上はあるだろうか。
受話器越しでさえ圧迫された存在感が、目の前にあると、とても壮大だ。
動けないことを良いことに、私の体を抱きかかえて噛みつくようなキスをした。
『………んっ…ぁ、…はぁっ、何っ、して…!』
「選択肢をやるよ、お前に」
1、今ここで、俺に殺される
2、絶対服従を条件に、生きる
3、どちらも嫌で、自殺する
4、海軍に引き渡される
『全部、嫌なのばっかりじゃない』
「生きたいのなら、選択肢は一つだぜェ…? 海軍はお前を首を即刻跳ねるだろうしなァ!」
『………ぅ、ぁ』
───シェリル、ずっと俺の傍にいろ。
(…ロー……)
ローに、私の記憶が無くても。
もう一度、会いたい、死ぬ前に…。
封じ込めていた想いが、死を前にして溢れ出す。
私は、脱力感に身を委ねながら、彼をじっと見て微笑んだ。
『ドフラミンゴの、言うことを聞く』
生きていれば、いつかきっと会える。
そして、この男の所有物になりながらも、密かにあなたを探す。
自分から離れたくせに、バカみたいでしょう?
でも、よく言うじゃない、『失って、大切なモノに気づく』って…。
─ずっと、一生、可愛がってやるよ─