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【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第2章 花言葉。


彼と同じように赤黒い血を浴びた私は、顔に付着した赤を拭う。
小さな部屋には、血生臭さが立ち込めており、服に移ってバレたらどうしよう…、なんてことを考えていた。
『映像』電伝虫が起動したままになっている事に気づき、私は電源を切ろうと手を伸ばした。

《おい切るなよ、女ァ…》
「――――――、?」

ドスの利いた声が、電伝虫の口から聞こえ、微量ながら、覇気を感じ取った。
薬指を小さく曲げて影を揺らし、私は『向こう』にいる相手に対して威嚇をする。
ローに対して暴言を吐いていた男のこともあり、苛立った様子を表に、隠すことなく出した。

《お前、なにもンだ?》
『…そちらから、どうぞ』
《…フッ、フフフフッ!! 俺は、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ》

(王下七武海の、男か…!!)

裏社会での影響力もある、海軍公認の海賊。
何を考え、企んでいるのか分からないし…、あまり、いい噂は聞いたことがない。

(厄介なことになったッ!!)

私は”フローザー・シェリル“、と掠れた声で呟くように答えた。
受話器の向こう側で、クスクスと笑っている男の声に足が震え、切ろうとした。
だが、彼はそれを見抜いていたかのように“切るなよ”と、低い声で言い放つ。

「…ま、だ、何かようが?」
《大アリだよ、俺のビジネスを台無しにしやがって…》
「そちらが先に襲撃してきたんですよ」

これは、立派な正当防衛。

私は、受話器を握っている、震えてる手をギュッと空いている手で重ねるように握った。
電伝虫をよく見ると、声ではなく、映像まで向こうに流しているモノだと知り、ビクッと体を震わせる。

(大丈夫、ローの事は知られていない…)

《一人で…、甲板の奴等も全員殺したのかァ?》
「ごめんなさいね、みんな弱くって…殺しちゃったの」
《お前、面白いガキだなっ!!》


彼が目をつけられる、それだけは…阻止しないと。

あくまで、この船の船員は全員私が殺した、ということにしておけば、ローはこの男に追われることはない。
今のローの懸賞金は1億にも満たない、7800万。
だが、七武海に属して止まってはいるが、この男の懸賞金は元3億4000万ベリー…。

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