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【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第2章 花言葉。


「倒れた船員は中へ運べッ」
『ロー…っ!!』

彼の姿を見つけ、私は聞こえない程度に名を叫ぶ。
敵を斬った時の血飛沫を浴びて、彼の身体は血まみれだった。
私の瞳に映る彼は、余裕の笑みを浮かべており、楽しんで見える。

(あぁ……、)

目を奪われる、その勇姿に。

小さく、ほぅ…っと赤くなった頬を、両手で挟み、冷やす。
目を覚まさせるように、首を左右に軽く振って、キッと海を挟んだ向こう側に止まっている船を見た。
ローの船よりもひとまわり大きい船には、まだ多くの海賊が、ゲラゲラと下品に笑って見下しているように見える。

「ハッハッハッ、こっちはまだまだ戦力があるッ」
「死ねぇ、クソガキぃぃいぃい!!」
『……汚い…』

生きる価値がない人間だと、こんなに心底呆れるというか…、冷めたのは久しぶりだ。
静かな殺意に、一人、身震いして。
私は不適な笑みを浮かべ、小さく”Reidea(リーデア)“と呟き、敵船の中から、敵襲をかける。

『みんなは私が守る』

ローを、そんな汚い眼で見下すな。

影から鋭い針を出し、敵を後ろから突き刺していった。
何が起こっているのか分からない、という混乱が、徐々に広がっていく様を、私は影から黙って見ている。
そして、右手、左手と、影からゆっくり出して、這い出た。

「何者だッ、貴様ァ!!」
『……下等な海賊だわ、あなた達…』

そう呟き、作った微笑みを向けて指を鳴らすと、部下たちに囲まれている、船長らしき男の首を跳ねた。


─あなたの夢を、私にも負わせて…─
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