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【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第2章 花言葉。


部屋の中にいても聞こえてくる、激しい怒号と、金属と金属が重なる音。
彼が死んだらどうしよう…と、私はギュッと目を瞑って、震えた手で耳を塞いでいた。

(胸が、痛い…)

目から流れた雫は、床にポタ、ポタ、と数滴落ちた。
影は静かに揺らいでいるが、胸の痛みに襲われると、時折、荒々しく揺らいだ。
ローが用意してくれた部屋は、私には広すぎて、寂しくて。
まだ、必要最低限の物しか置かれてないから、どことなく殺風景…。

『ペンギンさん、シャチ、ベポ……』

トラファルガー・ロー…。

無事を祈りながら、胸につっかえていた息を吐き出す。
ねぇ、神様、これ以上私から何も奪わないで…?

『……あい、たぃ…』

せめて、外にでずに敵を殺せたらいいのに。
影の中を移動しながら、姿を隠して、敵の船に乗り込んで。
私の力なら、意図も簡単に…。

『…バレなきゃ、いいよね』

私は悪戯に笑って、ストンっとベッドから下り、指を鳴らす。

『…Ladeyuest(ラデュエスト)…』

足下に集まった影が私の体を覆い、そして、元の物体の影へ散らばる。
真っ暗な空間の中、上を見上げれば、そこは甲板だった。
私が今いるのは、甲板にある木箱の影の中。
あちらからは、影の中にいる私は見えないので、こちらは好都合。

(ただ……、)


体力の消耗が激しくて、この力を使った後は、体が思うように動かず、使い物にならない。
メリットもあれば、ちゃんと、それに相当するデメリットもある。





─まずは、敵船を沈めよう─
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