【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第1章 淡い。
目の下に深い隈のある、あの男が、振り下ろされた刀の下に、自分の刀をいれ、遮っていた。
振り下ろそうとしている男2人の力を、片手で平然と止めている。
ギロッと見下すように私を見て、吐き捨てるように笑った。
「迎えにきた」
『────っ!?』
「お前に拒否権はない」
キンッと、2つの刀を弾き飛ばし、”Room“と呟き、周りに円を描いたサークルが現れる。
そして、人差し指を島民に向けて、クイッと挑発するように曲げ、”タクト“と言うと、人々の体は宙に浮き…。
「俺の女を傷つけた罰だ」
とても低い、怒りがこもった声だった。
次の瞬間、彼の指が勢いよく下へ向けられ、人々の体は強く地面に叩きつけられる。
その残忍な行動をする彼を、私は震えながら見ていた。
「邪魔な奴らはもういない」
『な…んで……?』
「お前が欲しいからだ。側に置いておきたい」
『……………!!』
なんて顔してんだよ。
ポロポロ溢れてくるのは涙を、彼は拭ってくれた。
その手は大きくて優しくて、しゃがみ込んでいる私を、包み込むように抱きしめた。
─放さねェからな─