【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第1章 淡い。
* * * *
(明日の昼過ぎ、シェリルは…)
ベッドに横になりながら天井を眺め、笑いながら泣いていた彼女の顔を思い出した。
目を閉じて、はぁ…と深いため息を吐く。
『私は死にたいの、放っておいて』
「………」
(死にたい、ねぇ…)
あんなに悲しい顔して、小さく体震わせて。
無性に、抱きしめたくなって、手を伸ばした。
だが、彼女の影が、拒絶するように揺らいでいたため、あの時、手を引っ込めた。
(俺と来い、だなんて…)
傍に置いておきたいと思った。
あの透き通るような銀色の髪に…触れたい、と。
あの漆黒の目に、自分だけを映しておきたい、と。
次々と溢れてる独占欲が、心を埋めていく。
(俺は海賊だ、欲しいものは…)
「奪う、ただそれだけだ…」
不敵な笑みを浮かべ、彼女がいる北の塔の方を見つめた。