【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第1章 淡い。
(…確か、この後すぐだ)
「死ね、この女ッ」
「――――――あ゛っ」
「…ひっ…、ぁ、あぁ…!!」
『…これがきっかけで、覚醒しちゃったのよね』
母の亡骸を、彼女は震えながら見る。
男が私を捕まえようと、一歩踏み出した瞬間だった。
ズバッと片足が【何か】に切り裂かれ、切り口から血が溢れ出る。
(…あぁ、嫌な目の色してる)
母と同じ、真っ赤な目。
彼女はふぅ…と、一度ため息を吐き、瞬間、口角を裂けそうなまでに吊り上げる。
その真っ赤な瞳には光がなく、絶望だけ、がにじみ出ていた。
「あはは…、もう、どうでもいいや…」
(誰でもいい…から)
「私を、慰めてくれない?」
(彼女を止めてあげて…)
「『ねぇ、誰か。私を殺してよ、ねぇ…』!!」
―血の海に溺れていく少女が一人―