• テキストサイズ

【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第1章 淡い。



*  *  *  *


北の塔の地下室はすごく寒くて、石造りの床が冷たい。
私を縛るのは、分厚い手錠ではなく、海楼石でできた、鎖と足枷だけだった。
檻の向こう側には…鉄の扉があり、何人もの警備の人間が彷徨いている。


奪われたのは、帰る家だけ。

海楼石がなくても使える影は、指を一本でも動かせれば操ることができる。
人々の虚しい安堵を心の中で小さく笑った。
それでも、此処から逃げようとしないのは、自分の意志で。

(これは、罰…)


神扱いされ自惚れて。

海賊を悪だ…と、気づかない内に脳内に刷り込まれて何人もの海賊を殺めてきた。
何のためらいもなく、結局…、ただ、自分の自己満足で殺していたんだ。


海賊よりも愚か。

(もう…、疲れた)



―終わりにしよう、何もかも―
/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp