第9章 空から落ちてきた天使(3)
翔「名前も名乗らず子供を渡せとは、かなり不躾ですね。どこのお屋敷からお越しですか?」
「いや…それは…」
…なんだ?翔ちゃんの言葉に明らかに動揺してる…?
翔「子供の名前は?警察は何処の所轄で連絡をしてきた署員の名前は?」
「・・・」
翔「おかしいですね…答えられないんですか?ならこちらも、あなた方にお渡しする事は出来ませんので、どうぞお引き取りを…」
その翔ちゃんの言葉に、男達の空気が変わった
…コイツらヤバい!
雅「翔ちゃん下がって!」
男が1人こちらに向かって刃物をちらつかせてきたので、その男の腕を摘まみ殴り付けた
「うぐっ!」
「おいっ!ガキを探しだせ!」
雅「させるか!」
そして家の中に入ろうとしていた男を阻止しようと、俺はその男の襟を掴んで外に放り出した
翔ちゃんと空はなんとしても俺が守らないと!
「…この…」
すると、男の1人がスーツの内ポケットに手を入れていた
翔「!?雅紀!」
まさか…そう思ったその時
智「お前ら!何してる!」
事務所に行っていた智兄が騒ぎを聞き付けて戻ってきた
雅「さ…!」
翔「すみません!警察を呼んで下さい!」
智「えっ…」
「おいっ!これ以上騒ぎを起こすのはマズイ!」
そう言って男達は去っていった
翔「雅紀!大丈夫か!?」
雅「う、うん。俺は大丈夫」
智「おい、一体何の騒ぎ…」
智兄が俺達の側に近付いてきたら、翔ちゃんが小声で
翔「智くん待って…悪いけど事務所に戻ってて。俺達も空を連れて後から行くから」
智「えっ?あ、ああ…」
…?どうしたんだ?翔ちゃん…さっきの智兄に対してのあの口調といい…