第7章 空から落ちてきた天使(1)
翔「つまり母親なりなんなり、誰かが側にいて誤ってベビーカーを離してしまったなら、ベビーカーの側にその人物がいないとおかしいだろ?それか下に降りようとしてたなら、途中で雅紀に会うハズだし…」
和「その道は途中、分かれ道がありましたか?」
雅「ううん…一本道だった…」
そう言われれば…そうだけど…
潤「そうなると…あんまり考えたくないけど…」
智「…何なんだよ…」
翔「故意に手を離した…か…」
雅「はあーーーっ!?」
驚きのあまり俺が大声で叫ぶと
「ふぎゃーーーっ!」
俺が抱っこしていた赤ちゃんが泣き出してしまった…
雅「うわわっ!ご、ごめんねごめんね!大声出して…びっくりしたよねー」
俺が一生懸命あやすと、だんだんと泣き止んでくれた
俺は一先ず深呼吸して
雅「翔ちゃん…故意に離すって何で?」
あの時、偶々下にいたから良かったけど、俺がこの子を受け止めてなかったら…下手すると…
翔「解らないけど、誰もいなかったって事は、そう考えられるって事だよ」
潤「本人がいないから仮定でしかないけどね」
雅「そんな…そんなの酷いよっ」
智「まだそうだと決まった訳じゃないだろ。今岡っちに連絡したから、とりあえず待とう」
雅「…うん…」
こんな無垢な赤ちゃんを…何で…
俺はその日一晩中家族から連絡が入るのを待っていた
…けど…結局その日は何の連絡も入らなかった…