第6章 貴方とウェディングベルを
松兄に手を引かれホールの中央まで行くと、その両端に雅紀、翔くん、潤が並んでいた
そして正面にはどこから持ってきたのか、神父の格好をした和也が立っていた
智「…和也…その衣装…」
和「以前舞台で使った衣装があったので借りてきました。雰囲気があって良いでしょ?」
…って事は和也に向かって誓いの言葉言うのか?
何か恥ずかしいな…
和「大丈夫ですよ、もう簡単に言いますので。では…新郎松岡昌宏…『汝、病める時も健やかなる時も、常にこの者を愛し、慈しみ、支えあう事を誓いますか?』」
松「誓います」
和「新婦大野智は?」
智「…誓います」
和「では、指輪の交換を」
指輪?そんなのあるわけ…
そう思っていたら、雅紀が俺達の前に何やら持ってきて差し出してきた
智「えっ…これ指輪…?」
松「いつかお前に渡そうと作ってたんだ…まさかこんな形で渡すようになるとは思わなかったがな」
えっ…松兄がこれを?
松兄はその指輪を受け取り、俺の薬指にはめてきた
そして俺ももう1つを受け取り松兄の薬指にはめた
松「智…一生大切にする…だから俺の側にいてくれ」
智「松…兄…」
松兄は溢れる俺の涙を指で拭い…そしてソッと口付けを交わした
和「…2人を夫婦と認めます…」
そう言った和也の瞳からもうっすらと涙が溢れ、雅紀達は大きく拍手をしてくれていた
智「皆…ありがとう…」
皆と家族になれて本当に俺は幸せだよ…