第6章 貴方とウェディングベルを
智「雅紀が嫌がってるのに、翔くんが何も言わないのを良いことに女装させて連れ回って!なのに俺は頭ごなしに怒鳴るのかよ!そんなに翔くんが良いのかよ!」
松「ばっ…それは!」
ダメだ…これ以上は言ったら…
智「それならもう、いっそのこと翔くんと付き合えよ!」
違う…俺はこんな事言いたいんじゃない…!
松「…智…お前それ本気で言ってるのか?」
智「…だったら何だよ…松兄なんて俺の気持ち解ってないクセに!」
その時松兄から怒りに似た重い空気を感じた…
そして…
松「解ったよ…勝手にしろ!」
そう言って松兄は俺に背を向けてそのまま立ち去って行った…
智「…何だよ…松兄のバカ…」
本当はこんな事で喧嘩なんかしたくなかった…
松『コイツは俺の許嫁だ…』
あの時、松兄がそう言ってくれた事…嬉しかったのに…
智「…もう…ダメなのかな…俺達…」
…って…自分で蒔いた種なんだがな…
智「…うっ…松兄…」
俺はその場に踞り、一人泣いた