第6章 貴方とウェディングベルを
「だから。一人で良いんだから紹介してくれって言ってるじゃん」
翔「近田さん…当方ではそういった斡旋はしておりません…他を当たって下さい」
近「またまたー…あんたらみたいなのが一声掛ければ、選り取り見取りじゃんか。その中からこっちに回してくれりゃ良いんだからさ」
…さっきからこの押し問答が延々と続いていた…
今俺達の前に腰かけて偉そうに言ってる客は、自分が遊びで付き合ってた女が、妊娠したからと結婚を迫ってきて、断る口実に婚約者がいると伝えたら『会わせろ』と言ってきたらしい…
…結局は自業自得なんだがな…
近「なあー…頼むってばさ。俺のダチじゃ顔が知られてるからさー…あ、でもブスはゴメンだぜ。本気になられたら厄介だからさ」
コイツ…何様だ?
いい加減イライラしだしたその時
<ガチャン!>
激しくカップを叩きつける音に横を見ると、明らかに翔くんの顔つきが変わっていた
翔「…おい…いい加減にしろよ…」
ヤ…ヤベッ!翔くんが切れたっ!
智「し、翔くん落ち着け…」
近「あ、なんならあんたでも良いぜ。所長さん」
…は?