第51章 同じ屋根の下
ーーー数年後ーーー
智「…んんーーー…」
バソコンから目を離し、大きく腕を伸ばして凝りを解そうとしていたら
‹コンコン›
智「…はい?」
部屋のドアをノックする音に返事をすると
翔「社長、この書類に目を通して頂けますか?」
翔くんが秘書室から入ってきた
智「翔くん…今は誰も居ないんだから、名前で呼んで良いって…」
翔「今は職務中です」
まったく…相変わらず頑固で真面目なんだから…
翔くんから書類を受け取り目を通していると、内線電話が鳴り出した
翔「はい社長室…ああ、専務…解りました。社長、専務が来られるそうです」
智「専務が?」
あいつ…何の用事があって…
‹コンコン›
暫くしてドアをノックして入ってきたのは
「よ、お疲れ」
専務の海里だった
翔「専務…職務中ですよ」
海「良いじゃないか、ちょっと位…相変わらず真面目だなお前」
そう言って、翔くんの横をすり抜けて俺に近付いてきた
翔「…お前が不真面目なだけだ…」
うわー…翔くん…ボソッと本音が…
海「何か行ったか?」
翔「いえ、何も」
智「海里…どうした…お?」
海里の足元を見るとそこには…
智「宇宙に神奈(かんな)じゃないか、久しぶりだなー」
海里の子供2人が手を繋いで立っていた
海「コイツらが雅紀に会いたがってるから、連れて行こうと思ってさ」
なるほど…
智「あ、俺も行くよ。どうせこの後は直帰する予定だし」
翔「はあっ!?社長この後は企画部会議が…!」
智「良いから良いから、斗真ー行くぞー」
まだウダウダ言ってる翔くんを連れて、俺達は車を走らせた